かべすのおしゃべり

歌舞伎を観たり歌舞伎の本を読んだり歌舞伎のこと考えたりのあれこれを書き残しておきたいなと思いました。

「澤瀉十種の内 猪八戒」六月大歌舞伎

先日歌舞伎座六月大歌舞伎楽しんできた時の感想ほか、第一部の「猪八戒」についてのメモ書きです。

主な配役は以下のとおりでした。
童女一秤金実は猪八戒 猿之助
孫悟空 尾上右近
沙悟浄 青虎
村長張寿函 寿猿
女怪緑少娥 笑三郎
女怪紅少娥 笑也
霊感大王実は通天河の妖魔 猿弥

まあ〜、とにもかくにも賑やかでしたね!

前半から、猿之助さんの猪八戒と猿弥さんの霊感大王の絡みで、酒を奪い合ったり酔態を見せたりのコミカルなやり取りの中にも、お二人の踊りのキレの良さや絶妙な息の合い加減が惜しげもなくと言った運び。

後半はそれに加えて、笑三郎さん笑也さん綺麗所お二方の女妖怪が剣をブンブン振り回すわ、霊感大王の手下たちは次から次へアクロバットくりひろげるわ、右近さんの孫悟空と青虎さんの沙悟浄も加勢するわで、あの広い歌舞伎座の舞台が狭く感じるほど。

しかも、猿之助さんと猿弥さんが追いつ追われつで踊りながら舞台を右に左にしているそばから、笑三郎さん笑也さんは剣ブンブンで花道から舞台の脇から縦横無尽、その前やら後ろやらは体操競技かシルクドソレイユかなみの宙返りやらバック転やらだし、気がつくと右近さんも青虎さんも捕手棒に挟まって側転してるし、舞台の所狭しとアクロバットの見せ場があっちでもこっちでも同時多発の大渋滞で、どこを見てたらいいのか迷う迷う笑

そんなこんなでオタオタと視線を右往左往させてる間に、あれよあれよと大団円、皆さん勢揃いで決まって幕ー

この演目は二階とか三階の、舞台全体を見渡せるお席で見た方が良かったかも〜、と少し後悔しました。。。

筋書で猿翁さんが「長唄義太夫・洋楽合奏だったのを全曲義太夫にして竹澤彌七さんに作曲をお願いした。」と語られていて今回も義太夫での上演でしたけれども、これ、元の合奏形式での上演も見てみたかったなぁって思いました。

なんせ自分は後半、これでもかこれでもか!なアクロバット連打を目で追うのに忙しくて、せっかくの葵太夫の語りが全く耳に入っていなかったので(コラ!)、だったらいっそのこと、異種格闘技みたいな合奏に包まれて「何が何だかよくわからんかったけどとにかくすごかった!」みたいになっちゃってもいいなって笑

#歌舞伎 #猪八戒 #六月大歌舞伎