かべすのおしゃべり

歌舞伎を観たり歌舞伎の本を読んだり歌舞伎のこと考えたりのあれこれを書き残しておきたいなと思いました。

「彦山権現誓助剣-毛谷村ー」国立劇場

昨日、国立劇場で第101回歌舞伎鑑賞教室「彦山権現誓助剣ー毛谷村ー」を観ての感想その他メモ書きです。

玉太郎さんの解説のあと休憩を挟んで、杉坂墓所と毛谷村六助住家の二場を一時間半ちょっとでサクッとといった感じなので、お子様や学生の方々も中弛みせずに楽しめるように配慮されてるんでしょうね。

自分が観た回は学生の団体もおらず、お子様もあまり見かけませんでしたので、「初めて歌舞伎観る人たちだったら、ここでどんな顔するんだろう?何を思うんだろう?」って、玉太郎さんの解説聴きながらそんなこと思いました。

主な配役は以下のとおりです。

毛谷村六助 又五郎
杣人斧右衛門 松江
微塵弾正実は京極内匠 歌昇
一味斎孫弥三松 小川綜真
一味斎後室お幸 吉弥
一味斎娘お園 孝太郎 

まずは、又五郎さん歌昇さん小川綜真くん、親子孫三代でのご出演とのことでおめでたいですね。
歌舞伎と芸が次の世代へ、そしてさらにその次へと受け継がれていくのを目にするのは、歌舞伎ファンとしても嬉しいですね。

配役的には又五郎さんの六助と孝太郎さんのお園は、顔合わせは初とのことですが、お二方とも何度も演じられてるお役ですので、やはり安定感が違うと言うんでしょうか、完全に「又五郎の六助」であり「孝太郎のお園」になってるよなぁと思いました。

加えて、六助が片足で立ったまま「これはしたり」と決まるところの筋力というか身体能力というか「又五郎さん、本当に凄いな〜!」と舌を巻いたり、お園の虚無僧姿での花道の出が女性の色気を感じさせつつスッキリした男性らしさもあってカッコよかったりで楽しみました。

カッコよさということで言うと、歌昇さんの弾正もカッコ良かったです。
あの、七三で袖を左右に返して決まるところとか、惚れ惚れしちゃいました。

配布されたパンフレットで孝太郎さんが「鑑賞教室では、歌舞伎を初めてご覧になる学生の方が多いので、少しでも興味を持って頂くため、台詞も聞き取りやすくするようにいつも心掛けています」とコメントされていますけど、そういった配慮のせいでしょうか、全体的に、丸本らしさをこってりとと言うよりは、サラサラっと観られるような芝居運びで、個人的には時間の短さも含めて正直「少し食べ足りないかな?」くらいにも思いましたが、逆にかえって、段取りや見どころを一つずつ順を追って確認できた、みたいな収穫もありました。

#歌舞伎 #国立劇場 #彦山権現誓助剣 #毛谷村